チリ地震のワイン被害
万歩途中、新瑞橋に出来た新スーパーのSATYに寄ってみた。イオングループ得意のテナント複合店で、このエリアでは初めてのようだ。さほど規模の大きくないユニーが、今までは唯一のスーパーだったのだからか、地域住民の足は結構こちらにも向かっているようだ。入り口の傍にアルコール類を扱うコーナーがあったので、ワインのラックを眺めてみた。地震のあったチリのワインの品揃えや価格はどうなっているのだろうと考えたからだが、「チリ地震支援特別価格」なんて表示は何処にも見当たらず、他所でも見る同じ仕入れの瓶が並んでいただけである。今日のUSAトゥディには、「地震に痛めつけられたチリのワインビジネス」という記事が載っている。それによると、地震が最も酷かった中南部は、チリワインの70%を生産するところで、ヴィノデチレ(ワイン生産者組合)は、地震で通常生産分の12.5%が影響を受け、2億5千万ドルの被害になると推定している。地図で見ると首都サンチャゴから南へ約150キロほど離れた地域だ。サンタクルスは人口約3万人のこの地方の最大の街だが、記者の取材したビスクウエルト・ワイナリー(1400エーカー)では、破壊した貯蔵タンクやワイン樽から流出した赤ワインは2万リットル以上。一時は道が赤い河のようになったのだという。チリは世界第9位のワイン生産国で、全生産の約7割が輸出され、輸出額は2009年で13億ドル。アメリカはヨーロッパに続く輸入国で年間2億5千万ドル分を消費するというから、ヴィノデチレの被害推定と同額である。復旧は早いだろうという意見がある一方で、状況は楽観できないとする生産者も多い。ワイナリーはドルの下落にすでに影響を受けており、地震保険に入っていない者たちも多いことから、廃業せざるを得ない生産業者もでてくるだろうとも云われている。失業率10%、土地の仕事の2割がワイナリーからというこの地域を大事なぶどう収穫の寸前に襲った大地震だが、ワイナリーの受けた被害は地域住民にも大きな影響と不安を与えているようだ。家族や自分の身の安全を優先して確保し、ワイナリーの仕事も続けたいというのだから、事はいうほど簡単ではなかろう。結果として見込まれる2010年のワインの生産減少で、輸入国側の対応も先読みの難しい状況にあるといわれる。オーストラリアも今年のぶどう収量は少ないようだから、安価で飲みやすいニューワールドワインの値上がりも当然予想されるだろう。比較安価でボディのしっかりしたチリワインは飲んでも美味いが、我が家の欧風煮込料理には必需品である。値上の思惑と地震の見舞を合わせて買っておこうか。